【人】 因幡 理恵[無事に髪も乾かしたころ、きゅるきゅると腹が鳴り始めた。腹の中でたくさんの小魚が泳いでいるようだ。 朝の真っ直ぐな光を浴びながら、白い湯をぱちゃんと跳ね上げて、岩肌を黒く塗らすのも楽しかったが、サカりを迎えていた例のグループ>>20もあるし、いちゃいちゃもそこそこに退散した。 その辺は後程詳しく語ります。 ほかほかつやつやの肌のまま、二人で並んでこーひーぎゅうにゅうをごっごっと飲む。どうやら腰に手を当てて飲むのがまなーらしい。甘味にプハーと息を吐いたが、腹はまだ鳴っている。 相変わらず量が少なく品数の多い朝食が運ばれてくれば、フウタの方にだけついていたおんせんたまごに興味を持ち、「ちょっとくれ」もごもごやっては「……わりといけるの」新たな味覚に目覚めてみたり。 おんせんまんじゅうを素揚げしてた「かりっとまんじゅう」もめちゃくちゃ美味かった。つやつやとしたこーひー色のまんじゅうをはむっと噛むと、なんか禁断の汁がじゅわわーと口の中一杯に広がる。きめ細やかなあんが、油によってさらに滑らかに口の中に広がって、そりゃもう美味い。思い出しただけでまた食べたくなってきた。] (22) 2021/01/09(Sat) 13:10:53 |