【人】 教育実習生 青柳 慶−駅前− [ 今日は、晴れている。 文化祭明けの初めての休み。 じめじめと蒸し暑くなってきている この季節に、彼の汗は我慢が利かない。 約束の時間まで、あと10分くらい。 文化祭で初めて会った生徒に渡した紙の中に 場所と時間を書いておいた。 もし、あと10分待って来なかったら、 そのときはその時で、 この小さな造花の花束と、 飴玉のセットを持って彼女に会いに行こう ] あれからもう、2年近くか… [ 彼女の両親からは、新しい人生をと 葬儀の後、笑顔で伝えられた。 それが、彼女を幸せにするから、と。 しかし、彼はすぐに立ち直ることができず、 授業を聞くだけ聞いて、 適度な成績を残して、 アルバイトに行くだけ。 慶の両親も、そんな彼に何も言わなかった ] (23) 2020/06/20(Sat) 19:30:10 |