人狼物語 三日月国

145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】


【人】 充溢 バレンタイン


朝食、それから授業こそは目立った発作を起こさずに、
なんとか乗り切ったものの。湧き出る不安、紡がれる言葉は、
どれだけ抑えようとしていても自分の中から充溢していく。

「いないのは分かってる、大丈夫なのは分かってる、
 大丈夫だから大丈夫、いなくても大丈夫、
 薬を飲んだから大丈夫、そうだ、大丈夫なんだ。
 僕は大丈夫。僕はそれを分かっているはず……」

何度も探してしまおうとする、不安が溢れる身体を、
眠気で、前向きな言葉で上から押さえつけつづける。

囚人が鎖を引き摺って行くような歩き方は、
何処に向かっているのかもいまいち定かじゃない。
ああ、薬が足りないのかもな。少し大丈夫が足りない。

「あ、そういえば」

宿題の範囲を聞き忘れていた気がする。
共有スペースに行くには少し都合が悪い気もする。
先生に怒られるのには慣れてるけど。どうしよう。

悩みながら、しばらくふらふらと歩いていく。
(23) 2022/05/03(Tue) 9:48:20