【人】 詐欺師 アダム[ 裕福な身なりをした男に近寄っては 言葉巧みに彼らを誘惑し、貢がせる。 それがアデルの生き方だった。 そうして暫しの間、理想の恋人を演じ、 男達が結婚をチラつかせれば 二人が共に生きられないお涙頂戴の理由を語るのだ。 そのまま円満に、彼らの前から姿を消す。 男達には甘い夢を、自分は甘い蜜を。 ただ、残り香だけを残して――――。 国から国へと渡る生活。 祭りなんて、余所者が入り込む絶好の好機。 さあ、荒稼ぎしてやるぞと 意気揚々とブーヨプスキュリテに乗り込んだ。 ] (23) 2020/05/11(Mon) 13:16:56 |