【人】 澤邑ふふ、かわいいなあ [ 鶏のささみを細かくして手に乗せてやればこゆきがてちてちと音を立てて旨そうに食べている。戯れに汚れてない手の甲でこゆきの背を撫でれば、うるるると嫌そうに鳴いている。 ごめんごめんと手を離して見るに留め、全部がなくなるまでそうしていた。] こゆきが一番良い場所を知ってるな [ >>14孫たちは自宅に着くなり履物を脱ぎ捨て居間へと駆けて行く。慌てていてもきちんと揃えているのは何度も何度も叱られているからだ。 彼らが選んだ品は自分以外の若い大人たちには思ったより喜ばれているようだ。 こゆきの身体についた花びらを摘んで、ハーネスを外し手渡された温かい湿った布で体と手足を拭えばしばらく心地よくてじっとして、そのうち飽きて鈴の音を立てて奥へと行ってしまった。 追いかけてみれば縁側の日向にいる。] あーあ [ 自分も腰掛けて本でも読もうと思ったら、こたつがすっかり片付けられていた。今日は天気が良くて暖かいからと不在の間に決行されたのだろう。 仕方なく座椅子を引っ張ってこゆきの隣に腰掛けた。狭い庭に飛んできた桜の花びらがいくつか散らばっていた。**] (23) 2022/04/16(Sat) 18:28:13 |