人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

昼下がり。当直の電話番。
上司からの指摘を受け整理整頓したはずのデスクは、ものの3日で元の有様へと返っていた。
鳴らない電話を後目に、指先がキーボード上を舞う。
端のキーをタイプする両手小指にだけ、艶やかなエナメルが咲いていた。

「あー」
「できたあ」

気怠げな声。
視線を移した右腕の腕時計は、定刻より前を示している。
女は物臭で、自堕落で、――そうあることに関しては本当に余念がない。
そのことと、終業時間が近付く頃には不思議と仕事を終えている特技とは、どうやら矛盾しないらしかった。

この日もそれで器用に終えた仕事を見返しながら、薄化粧の口元が弧を描く。
ずぞ、とスムージーの底でストローが鳴った。
(25) oO832mk 2023/09/02(Sat) 13:01:14