【人】 微睡む揺籃 アリア[ 奇妙な感覚を抑え込んで私は口を開く。 メイベルの顔を見ないようにすればその裸身を 見つめずにはいられない。 だから、瞳まではなるべく目にしないよう、 彼女の口元に視線を据えた。] ……お、女同士だからって。 ……その、はしたないよ。 誰か入ってくるかも知れないんだし。 [ 取って付けたような理由だったかも。 私は瞳を揺らしながら続ける。 内心をそのまま言葉に変えるみたいに。] ……私だって、目のやり場に困る、よ……。 ……くっつかれたり、する、のも。 [ いつも抱き枕にしているクッションをぎゅっと抱いた。 現実でも使っていたからと持ち込んだ物だけど、 それは理由の半分だけ。 もう半分は、眠っている間にメイベルに抱きついてしまったり しないように、という理由。 顎下に添えられた彼女の足を退かそうともせず、 白い足の甲を見つめて小さく息を吐いた。]* (25) 2020/10/21(Wed) 19:25:37 |