【人】 開発部 忌部 永信>>23 榑林 「何事にも全力ってのは良いことだ。 ああ、似合ってるさぁ。眼福だよ、眩しすぎてオレの目が潰れそうだ」 目の前でのポーズを正面から食らう。 随分と年下なキミの愛らしくも色のある姿に、大袈裟にも取られかねない評価を下しながら、ぺたりと顔、特に目のあたりを手のひらで覆った。何とも不健康で、骨筋が浮き彫りになるような手だ。 「甘いねぇ、由希子ちゃん。 チュロスだって立派な酒のアテだぜぇ? それに、30歳手前ぐらいから、揚げもんがどうにも胃に重くて」 酒が飲めれば何でも良いタイプの、高級思考とは縁のない男。 顔から手を退ければそれはそのままシャツへ。腹の上側、胃の辺りを擦りながら、情けなく眉を下げて、へらへらと笑った。 「チュロスと唐揚げ以外のモンも気になるなあ。 どうせ見て回るんなら、隣にキレイどころはべらせて歩きたいんだけど、由希子ちゃんはもう部屋に戻るところかい?」 (25) 2022/09/22(Thu) 8:36:40 |