【人】 救済者 ユー>>24 第四階層 「君がそうして理解できないと、死にたくないと そう言ってくれた事を、『僕』は何より喜ばしい事だと思う。 先も言ったように 『ユーサネイジア』というものは 不要であるならば、それが何よりの事なのだろうから」 それは、自らが必要とされない事を望む、おかしな道具。 結局の所『ユーサネイジア』というグレイは 初めからずっと、何処までも理性的に狂っていたのだろう。 「…殆どの死は一時的なものに過ぎなかったし、 監察官以外の者は皆、死を与えられる事を受け入れていた。 そして、それを声を大に言い触らすような事もしなかった。 表沙汰にならない、つまり君の耳に届かないのも道理だろう」 つまりは『知らなかった』という感想は、 このように知られざるべくして潜んでいたものに対して まったくもって適切なものの一つであるという事。 「君ともう少し早くに会えていれば、 過程は、結果は、僅かばかりでも 善かれ悪しかれ今とは異なるものになっていただろうか」 (25) 2021/10/12(Tue) 0:41:53 |