【人】 Cucciolo アジダル[ 20にも満たないような姿の青年は、その小屋の中で 困惑したように首を擦った。 ふと入口の方を、……観測者の姿を目にすれば、 手にした拳銃を躊躇いなく向けただろう。 ] 誰だお前。 どうしてこの場を知っている? [ ひどく情熱的な敵意に満ちた視線の先、 彼の背後の扉を潜る前は なにか、べつのことを考えていたような気がするが ───もう一度通り抜ければ思い出せそうな気がするが、 塗り替えた今はそんな思考に至らないまま、 長い金髪を括った女を庇い立てるように 血だまりで靴を汚した。 夢の中、靄の中で、 ]*この奇妙な景色を目にした時の事、 夢を夢とも知る事なく、彼に背を向けたまま 寝惚け眼で迂闊に足を踏み入れたこと等は すっかり頭から抜けていた。 (25) 2020/09/30(Wed) 6:13:18 |