【人】 助勤 サクヤ―現世/社務所前― >>24差し出された綿飴。 反射的に手を出し受け取った。 けれど、仕事中の身だから共に食べるという考えにはならず。 >>25提灯を片手にする相手に、ああ、手を空けたかったのかとは思い至ったけれど。 「きゃっ!?」 小さく悲鳴をあげたのは、背後から誰かに抱きつかれたから。 さっちゃ〜ん、と泣きついてきたのは。 >>17艶やかに巻かれた栗毛が可愛らしい、ご近所のお姉さん。 半泣きの彼女からは、ほんの少しお酒の香りがする。 ぱちぱち。目を瞬かせながら。 どうやら彼氏に振られたらしく。 何やらプリプリ怒ってはいるけれど、理由もなんだか判然としない。 困った顔をして、提灯を提げた彼に頭を下げつつ。 綿飴はそっと返そうとしたけど。 そのままだったか、お姉さんに取られたか、わからない。 よしよし、とお姉さんを慰める事にして。 愚痴を一通り聞いてから、また一息。 (26) 2022/03/16(Wed) 9:03:52 |