人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「……というわけだ。現在島の上は不安定な情勢になっている。
 今は大きな動きも見られず穏やかな状態にはなっているが、
 引き波があった後には必ず寄せ波が来るということを忘れてはならない」

シトロンの香りも爽やかな三日月島は、陽気な風ばかりを吹かせているわけではなかった。
三日月島支部では、いつもは帽子の下に笑顔を携えている警察官達が、
事態の緊張感をよくよく思い知るかのように表情を引き締め朝礼にあたっている。
普段はどことなく緩んだ雰囲気の者であっても、警察としての意識を呼び起こしていた。

「マフィアに強いマスコミは、既に情勢の動きを予見して記事を挙げつつある。
 こちらの動きを注視されもしている、味方であるとは思わないように」

必ず何かが起こるという予感を誰もが大なり小なり持っていながら、
しかし警察というのは後手で動くことこそが本意であるようなもの。
何も起こらないようにするための準備というのは身を削るほどにせざるを得ず、
しかし無辜の者たちの両分を侵してはならない存在だった。
――……今はまだ。

「では、解散。本日も怪我のないようにね」
(27) redhaguki 2023/09/02(Sat) 13:23:49