【人】 傭兵団長 ダイゴ 『避ける動きを意識させた本人が何を言っているんですか』 [手合わせついでの助言のつもりだったが、どうも嫌味として捉えられてしまったらしい。ネネとは傭兵団を結成する前からの古くからの付き合いで、自身が口下手なことは知られている筈だ。故にいつものように受け流してくれる、と。勝手に思い込んでいた節はある。それにしても、その反応はいつもよりも鈍く感じられた。剣を受け止めたときよりも、鈍く。] 『ありがとうございました。本日はこれで失礼します。』 ……ああ。 [立ち上がったネネは一度ピ、と背筋を伸ばして一礼し、早々に踵を返す。なにかの異変を感じ取っても、『自分は何も変わっていないのだから』、いつもと同じように、大した言葉も掛けられず、小さくなる背中を見送る。 ――…そろそろ巡回の時間だ。] (27) 2021/04/14(Wed) 20:33:18 |