【人】 舞姫 イクリール[片膝をつかれて、視線の高さがかち合う。>>21 胸元を飾るルビー、金の腕輪、魔石がついたアンクレットを目敏く指されて、ぐらぐらの理性がアラートを鳴らしている] はぁ……もう…こわいひと。 花びらを千切っちゃだめって、ご存知ないの。 [平静だったら、彼が一人であるのに気づいて交渉するか、隙をついて逃げる術を考えただろう。太もものホルスターのナイフは見せる武器。こういうときのために、ふわりと広がる袖のなかに隠し針を仕込んでもいたから] ………。 [彼の佇まいが纏う、酷薄な色。 普段なら、心身と財産にダメージの少ない手を探るための材料になるはずのそれが、熱の残る身体をぞくぞくと震わせた] (28) 2021/05/01(Sat) 14:17:07 |