【人】 「義」の神 ナハト[……歌が聞こえる。 それは誰の歌声だっただろうか。 あいにくと"歌"なんていう優美なものに造詣は深くない。音の持つ意味も、言葉に込められた思いも読み取る力はあまりないといっても等しいくらいだ。 ───音楽によって讃えられたとしても、自身の心には響かないのだ] [ただ、だからといって気にならないわけじゃない。夜の帳が落ちきったあと、歌声のみが響く庭園でその声を探すようにぐるり、回る] ……、アネーシャ? [歌声を探すなか、彼女を見つける。 その瞬間、歌声はぴたりと止んだが──彼女が歌っていた証拠は何一つなく] こんな時間に、どうしたんだい。 今日は夜が好きな君なのかな? [そう、声をかけて。彼女の近くに寄る] (28) syuo 2019/10/04(Fri) 22:21:06 |