【人】 「和」の神 ペノル……そんなことを考えていると、声をかけられた。 どうしてか、ワタシは、彼がここに来ることを確信していた。 振り返ると同時に頭を下げる。 そこには、静かで、しかし常に重みのある風格を漂わせる、「義」の神が立っていた。 「海を見たことがあるか?」の問いには、少しの驚きを持って首肯する。 それから"滅多に呼ばれないから"と言われて納得した。 なるほど、海には「義」を必要とする生命が少ない。 彼が言いたいことは、そんな世間話ではないようだった。 暫しの沈黙。 その後に、ナハト神はこう言った。 ――君だったら、どんな世界をつくる? (28) TSO 2019/10/05(Sat) 15:22:23 |