【人】 行商人 美濃[そうして、うさぎ堂へとつけば、うさぎの面の給仕が忙しく動き回るのを見て微笑ましくなる。>>24 女の顔を見て、口角が上がるのも、取り置きしてくれていたことも嬉しくて。] 約束、覚えていてくれたのね。 ありがとう。 ええ、良い月が見られて嬉しいわ。 [うさぎは確かに目の前で、弾むばかりの働きっぷりであると思えば、クスクスと笑って返した。 失礼しますと去る姿を>>25一度、呼び止めて] これ、つまらないものだけどお礼よ。 [予約のお礼に、と小さな月のような黄色い石のついた簪を渡した。 少女と言っても遜色ないなんて感想を初めて見た時には思ったけれど。 随分としっかりした働き者で、もう簪をつけても良い年頃だとは、二人連れの男性客の会話を思い出したからで。 実際は、女も誰かに贈り物をしたくなった、というだけのこと。 それだけ渡せれば、酒屋へと足を向けたのだった。]** (28) 2022/10/04(Tue) 18:51:34 |