人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 門を潜り ダヴィード

夕闇が濃くなりつつある路地裏。
ひっそりかんとしたその片隅に、何やらを取り囲んでいる数人の影がある。
そこに場違いに明るい声が響いた。

「そうだ!写真を撮りましょうよ、記念ですから」

さも思いついたかのような物言いだが、
当たり前のように差し出された大ぶりなカメラはあらかじめ準備されていたもの。
上機嫌な様子でカメラを構え、被写体へレンズを向ける。
それはまるで幸せな家族写真を撮るかのように、明るく朗らかな声で。


「ほら、笑って!」

パシャリ。
全身にありとあらゆる暴力の痕跡を張り付け、気を失った男の写真を――敗北と服従の証をフィルムに収めた。
(29) NineN 2023/09/02(Sat) 13:42:30