【人】 和菓子屋 稲庭―回想:「うさぎ堂」稲庭の夫婦― [事情は聞けていたか、もし聞けていなくとも父娘だけならば察せられるものはある。>>25 自分にも娘が生まれたこともあり、稲庭母は幼い娘さんに同情的であった。特にメニューに贔屓などするのは、かえって気を遣わせるだろうからやらなかったが。稲庭父は何も言わないが、甘味を作る際にはいつもより気合を入れているようには見える。] 「おいしく食べていってね」 [と、妻の方はあんみつを置く際に声をかけたりはしただろう。細かい好みは違えど、甘いお菓子が好きな娘さんに、その母親の面影を見出しながら。*] (29) mikanseijin 2022/10/02(Sun) 9:05:15 |