【人】 武官 継置----------------- ------------- -------- ああ、ただいま。 今日もまた桜が見事なものだった。 [屋敷へ帰ると、偶然にか、徽子が顔を出す。 微笑みを返し、履物を脱ぎ揃えるのだが、 その後に続いた徽子の言葉に、首を傾げる。] ………何故そう思う? [慰霊碑へと誓ったのは、百鬼夜行封印の成就であり、 気分はこの上なく澄んでいた。感情が波立つとしても、 それは、――憂いとは別のものだ。 寺の香の匂いがしたから、という理由を聞けば、 継置の事を案じての事だと得心は行った。 だが、自分の衣服の匂いを嗅いでいるうちに、 何やら別の香りが混ざっているようで、] (29) 青磁 2021/04/22(Thu) 1:27:47 |