【人】 修理屋 一二三[歳のころが十八から二十五って言えば、 成人も過ぎて所謂結婚適齢期ってやつだ。 生憎その年頃をよその島飛び回って過ごしてた俺や九朗には 縁の遠い話だったが、働き者の秋実には 見合い話のひとつやふたつあっても不思議じゃねぇなと。 我ながら飛び石みてぇにあちこち飛び回る思考に、 浮つくにも程があるなと溜息を吐いた。 その間にも九朗は秋実に向かって指を二本立て 「それじゃあお月見団子、ふたつ、お願いしますね。」 と穏やかに微笑んでいる。] どうせならここでひとつ食べて行かねぇか? 飯食った後じゃせっかくの団子が固くなっちまうだろ。 [露店の席が空いていればそこに腰を落ち着け、 熱いほうじ茶とおすすめの塩こんぶを合わせて注文する。*] (29) 2022/10/06(Thu) 22:56:27 |