【人】 焦爛 フジノ>>28 メイジ 「うん、いいの。私の分も、ちゃんとある、から。 ……ふふ。ほら、だから、ちゃんと食べて、ね」 たしか魚の缶詰だと言っていた。 ……魚なら、『猿肉』の味を思い出すこともあまりないだろうと、思う。 「うん。かわいい、し、それに…… 見たら、メイジとミロクさんの事、思い出せる、から。 近くにあったら、心強いなって、思ったの」 ありがとうと言って箱を受け取る。 箱の重みにほんの少し、得意げになれたあの日を懐かしく感じた。 「……メイジが、住んでいる所は。 ミロクさんの教えてくれた場所と、近い?」 ふと、貴方に会える場所を知らない事に気付いた。 自分の行く場所はここだと、ミロクに渡されたメモを見せる。 きっと会えると言ってくれたけど、自分で会いに行ける方法も知っておきたかった。 知りたいと、思った。 (29) 2021/07/14(Wed) 19:41:20 |