人狼物語 三日月国

148 霧の夜、惑え酒場のタランテラ


【人】 騎士 ノア


[ 一口ずつ、ワインを舌に乗せていく。

  更に誤解されても、されなくても、
  アルコールの苦味広がり回る舌で
  ぽつぽつとそんな話をしただろう。

  ───それだけなら、別によかったんだ。
  本当の憂いは… ]



   ……こんなんだからさ、現実って厳しいよね。


[ …冒険者を辞めたのも、姫に仕える為だった。


  表情に映る憂いは、
  10年来の喪失の色だけに見えていただろうか。
  見えていたらいいと思う。


  誰にも話してはいけないのだと、
  口固く、閉ざされている。
  だから直接的なことは、何も言えない。


  席に座ったあたりで、一つだけ。
  踏み込む前、
  他愛ない例え話のように軽く、
  質問を飛ばした。 ]
 
 
(30) 翠 2022/05/25(Wed) 13:26:34