【人】 憐憫聖贖 ナフ>>28 >>29 蜃気楼 動く度に 足下が汚れる 。離れたナイフに刃を切り返して切り付けようとして、引き寄せられる槍を見る。 潜るようにそれを避け、一拍遅れた銀閃の間合いに君はもういなかったろう。 運ばれる酸素が足りぬ脳。ぐらりと視界が揺れる中、弾ける音を聴く。戦況を俯瞰する余裕など無い。ただその電気の音に反射的に君の隙を感じて、無理やりに体重を動かに再び君の方へ踏み込む。 スコップは 存在しない 。赤い足跡。 「 ――アルレシャ! 」君の 名を呼び、舞うように一閃、二閃。もう鋭さは無いだろうが、お前の 目 がこちらへ向けばそれでいい。獲物は、此方だ。 白い髪が視界に入るなら、それもまた処理すべき情報としてちらつくだろうか。 >>27 時を待つ狗を意識の端で捉えたなら、三閃、四閃。 畳み掛けながら視界を誘導する。 お前の目の前の獲物を見よ。 (30) 2022/03/06(Sun) 21:46:50 |