【人】 焦爛 フジノ>>22 >>23 ミロク どこか戸惑うような雰囲気を出しながら、大人しく拭かれていく。 抵抗なんてしない方がいいと、随分昔に学んだから。 けれど。 こんなに優しい手つきで触れられる事なんて、ほとんどなかった。 「この村、で? ……面白い事なんて、何も、ないよ。 畑や家の仕事を手伝って、学校で勉強をしてただけ」 誰かと遊ぶこともなく。 家と学校を往復して、外の仕事が終われば中の仕事をこなす。 それがフジノの今までの、そして恐らく今後も続くはずの日常だった。 世間話と呼ぶには多少、踏み込んだ会話。 貴方の語る話を、フジノは静かに聞いた。 (31) sym 2021/07/07(Wed) 1:06:39 |