【人】 遊惰 ロク>>30 >>31 【手術室】 「まァ、そうそう信じられるモンでもないわなァ。 おれも正直、自分のアタマは信用ならねェ」 だから気の違えた男の戯言と思ってくれても構わない、 そんな風に前置いて。 「“友達”だってよ。責めないでやってくれ、だと」 少年に向かって語る合間、少女の方をチラリと見る。 知らせぬ儘、聞かせぬ儘でいた方がいいのかもしれない。 けれどもきっと、遅かれ早かれだ。 その時に、只の罪として背負うくらいならば―― 「……病気で先が長くねェこた分かってて、 どうせ死ぬならお前サンらが助かる方がいいってさ。 食ってやらねェ方が恨まれちまう勢いだったなァ」▼ (32) 2021/07/11(Sun) 16:29:13 |