【人】 宝石人 リリス−現在・大図書館某所− まるで夜空を泳いでいるようでした。 空を飛ぶほど風の魔法が得意なわけではありませんが、純粋な魔力を纏ってふわふわと浮くくらいならできるのです。 肌も髪もローブも闇色のリリスでしたが、肌も髪もローブも楽しさにつられて所々魔力で明滅しています。 その光に照らされて、輪郭も淡く光るのです。 本来なら図書館の中でこんなふうに宙を舞うのは叱られるでしょうが、今日はグランドです。 多少は目溢しされるでしょうし、星の仲間と思ってもらえないでしょうか。 「スノウ?暇じゃない、楽しいよ! お星様キラキラ、仲間いっぱいみたいで楽しい!」 知っている声が聞こえました。>>12 振り返り、光を煌めかせながら空間で宙返りしてトンと床に降り立ちます。 リリスはリリスで楽しんでいましたが、出店を出している人や、友達同士で楽しんでいる人たちに比べたら暇に見えても仕方ありません。 スノウに近付くと甘い良い香りがしました。 これも、この学院に来てから覚えました。温かいココアという飲み物です。甘くて美味しいのですが、最初は舌を火傷してしまった記憶があります。 (32) 2023/06/23(Fri) 14:49:53 |