【人】 陽は落ちぬ 夕凪>>32 編笠 たち 「『なんだか楽しみ、賑やかそうで。 もちろん伝えてあげるわ。 今の言葉、夕凪にはさっぱりわからないのに。 夜凪がずっと聞きたかった言葉だってすごく思うの。 男の子同士で伝わるものなんて、なんだか妬けちゃうな』」 伝わらないかもしれないけど。 全部勘違いかもしれないけど。 「『夢から覚めたら、―――』 夕凪たちの物語も、これから紡がれていくんだから。 私から夜凪たちに伝えることは、 」一生があれば、大抵のことは大丈夫ってこと ここには凪いだ波しかなくて。 何一つ紡がれていなかったとしたら。 未来に繋がる"それ"さえ、あれば。 夕凪たちは二人でいくらでも待てるよ、だから。 「「待ってるね、編笠。 夕凪たちはきっと、そう言うよ。双子だからわかるんだ」」 青い空に、朱い灯火に、黄色の太陽に、緑の山に。 忘れ物はもうしなくてすむように。 もし、なくしたものがあったなら。 一緒に探して、また、魚でも捕まえて帰りましょう。 思い出はいつだって、みんなが来るのを待っている。 (33) toumi_ 2021/08/20(Fri) 23:20:57 |