【人】 焦爛 フジノ>>24 >>26 【肉】 「 ……猿? 」絵本ぐらいでしか見た事のない生き物の名に、つい疑問符の混じった呟きが漏れる。 ……それでも、医者であるセナハラが用意したものだ。 メイジに促されるままに部屋へ入り、取り分けられた肉を、見つめる。 食わなければならない。 これが何の肉であったとして、腹を満たしてくれる事は確かだ。 なら、食べなければならない。 フジノはそうしなければならない。 いただきますと、小さな声で告げて。 小さく切り分けられた肉を、口の中へ入れる。 味の感想は特に告げず、水で流し込んだ。 部屋に充満するこの匂いは、祖母を火葬した時に嗅いだ匂いに似ているなと、ぼんやり思った。 (33) 2021/07/07(Wed) 1:21:56 |