【人】 綴り手 柏倉陸玖>>32 敬具 普川尚久殿 「 俺が悪かったって…… 」一方の柏倉は、正座していた。 だってそれはなんか、しょうがないじゃん。 あの頃は精神的にも参ってただろお互いに。 信じたくても信じられない事って、あるじゃん。 日頃よく回る口は見る影も無く。 そんな言い訳じみた、というより言い訳そのものは 言わなかったというか言えなかったというか。 物凄い圧を抜きにしても、明確に論理立てて言語化された手前 全面的に自分に非がある事は認めざるを得ないわけで。 幾ら柏倉陸玖という人間のプライドが呆れ返る程高いとしても。 自らの非を認めないよりは、認めて改善していく事を選ぶ方が よっぽど建設的だと理解してはいる。できない時は開き直るが。 であるからして、言われた事は改善していく、つもりはある。 隣を離れないと宣言した人間の言う事であれば尚の事。 「それも含めてこれからに期待して頂けませんかね…」 方や仁王立ち、方や正座の最高学年が二人。 なんとも言えない光景が、屋上にある。 (33) 2021/11/08(Mon) 22:49:31 |