【人】 京職 一葉>>4 サービスシーン ■状況:野良あやかしに遭遇 ■解決:調物で解決 ■アイテム:牛車 * * * ぴちゃ、ぴちゃ、 ────────くちゅっ、 それは、腐臭を放つ小動物の死骸に齧り付いていた、小さな黒い塊。 尋常ならざる災厄である百鬼夜行は、文字通りに"地獄の釜の蓋が開く"ようなもの。 常には決して現れない強大かつ危険な妖が数多あらわれる。 が、このような小者の妖は釜の蓋が開かずとも、平常時にこうして時折見ることがあった。 鬼一一門の加護が薄れる郊外においては、尚の事。 「お前は知らぬのだよな。腐肉より美味なるものが山とあることを」 人を襲うほどの力はない妖怪と見て取り、青草を踏んで近付いて行く。 それはほんの気紛れだった。 手元には、数刻前に購入したばかりの餅菓子の包み。 「"団子"と言う。────旨いぞ」 言葉は届いたのかどうか。 だがボロ雑巾で象った兎のような態の妖は、一粒取り出し落としてやった小さな団子に齧り付いていた。 (34) Valkyrie 2021/04/21(Wed) 10:11:18 |