【人】 大学デビュー チハヤ─月曜日・正午/私立野薔薇大学・カフェテリア─ っ! [分かってはいた。 彼>>29が善意で俺の傍に居ることが無いことを。だが、どっかでは同情やら何かで居てくれてると思いたかった。 だけど現実、彼はただ俺をただの玩具としか思ってないのだろうそんな風に俺は聞こえた。 気持ち悪い。 彼の猫のような笑みを俺は今初めて1番の嫌悪を感じた。 前々から良い感情が持てなかったが、目の前のこの表情はとても恐ろしく身体の自由を奪わせる錯覚さえする。 これ以上、傷つきたく無ければ逃げなきゃ。 そう頭で考えているのに、纒わり付く視線に指の先はおろか呼吸すらも上手く出来ない。 そして等々、かの唇からその音が紡がれた。] …なんでそんな事言うんだよ。 聖琉は…俺に何するつもりなんだ。 確かに事実だろうけど、それを突きつけて傷付けて満足なのか? [泣きたい、叫びたい、逃げたい。 そう頭が巡るもここでそれをしたら相手が楽しむだけだ。 そんなのは嫌だ。だから俺は敢えて涙すらも出ないように堪え、落ち着いて話を返そう。間違っても相手を楽しませるな。 それが今の俺が思いついた囁かな仕返しだ。] (34) 2021/04/04(Sun) 23:02:47 |