【人】 アマミ──回想:三年後 アマミside── [実際のところ、あの島でアマミがクラヴィーアに告げた3年という時間は縁切りのようなものであった。 それは火が自然に収まるのを待つかのよう。 そもそも婚約や恋愛など政略の利害に基づいた極めて合理的なメソッドに過ぎない。 それはアマミが人生を経て培った持論のひとつであったが、その持論は極めて非合理な少女に3年の刻をもって壊されることとなった。 元来アマミにとって、自身と添い遂げようとする女達は皆金や名声にがめつく蛇でしかない。 長年培い続けた持論を直ぐに手放すことは出来ず、アマミは少女にあの言葉を告げた。>>0:81 未熟なEveは蛇に唆され、リンゴを食べて堕ちた。 未熟なリンゴは果たして毒か、蛇か。あるいは両方か? アマミは3年も経てば、糸は切れると思っていたのだ。 そして想定では3年経った頃にはもう二度とクラヴィーアに会うことなどないはずだった。] (34) 2021/04/05(Mon) 6:42:57 |