【人】 発熱 ニエカワ>>33 セナハラ 「その良薬、全然効かないけどね……」 真に良薬ならば、この病気だってすぐに治ってくれてもいいのに。 そんな思いが込められていた。 現実はそんな簡単に済むものではないのはわかっているけれど。 「ポパイみたいに食べたら一瞬で効いたらいいのに」 小さくため息をついてボヤキながらも、小さな外出許可にパッと顔を上げた。 「ほんと?絶対…!約束だから…!」 思わず白衣を掴んだ。 グレードアップした約束に、楽しみが2倍だ。 「〜♪」 すっかり機嫌をよくした少年は熱で足取りがおぼつかないにもかかわらずご機嫌で彼の後をついていくのだった。 (34) 2021/07/03(Sat) 10:04:56 |