【人】 傭兵団長 ダイゴ[もう朧げになるほどの記憶の中で、 いつかの時に告げられた、王の勅命を思い出す。 河の中の光の粒が、蜃気楼を見せるかのように瞬いた。 ああ、と。乾いた風が声で遮り、 一時だけ、凪いだ。>>0:184 少し俯きかけた顔を上げれば、 自分が思っていたよりも随分と目の前にそれは居た。 艶麗なゴールドの髪は、日に当たれば白にも見える。彼自身が好むあの遊戯で、彼自身が駒ならば、不思議とどうしてだか。彼はいつも先手をとっているかのような佇まいで。 融和で落ち着いた様の中で、一点だけ、深紅の瞳が俗界を離れているような印象を際立たせてしまう。一介の国防軍人とは思えない。その辺の貴族と言われた方が信じるものだって多いだろう。] (35) 2021/04/17(Sat) 19:06:57 |