【人】 9949 普川 尚久>>34 黒塚 「え、何。そんなん当然だろ」 かくん。首が傾けられる。 視線は一回上がって、それから軽く落ちた。すとん。 「クローン生成だっけ、異能。端末見たけど。 そのクローンの自分同士でもきっと違うだろうに、 他人と同じものである道理もないでしょ」 「まぁ、そういう話でもないだろうけどさ。 似てるか似てないかで言ったら、似てるように見えたかも しれないとは思う。でも、多分それだけで」 「…………」 「…今どうしたい気分? それか、したくない気分? こう、、」 胸の鞄をぎゅっと抱きしめて、落ち着かなさげに。何か続きそうにも思えたが、口は一文字に引き結ばれてそれきりだった。 (35) 2021/09/30(Thu) 23:16:54 |