人狼物語 三日月国

209 賢い狼さんと生意気な子猫の小旅行


【人】 ツァカリ

[旅館までのタクシーの道のりは、道中。
 湯気が吹き上げる温泉街を通り抜けてのことだった。
 その湯気の香りは、タクシーから降りても香り立つ。

 周囲の風景が代わり、浴衣で往来を行く人々が増えてくれば、
 一気に異世界へ訪れたような気分になる。

 隣で同じように見上げるアルも感嘆を上げていた。]


  そういえばアルもニホンは初めてなわけ?


[今更ながらにそんな質問を交わしつつ、大きな門を潜り抜け、
 旅館の玄関へと向かっていく。
 チェックインが出来るなら荷物はひとまず、
 部屋に置いたほうがいいだろうから。]


  そだな、とりあえず部屋に行くか。


[チェックインは予約を取った彼に任せるつもりで後に続く。
 もちろん、旅館で出迎える人たちも和服の姿だから、
 思わず口笛を軽く慣らす程度に囃し立てながら。]
(36) milkxxxx 2023/04/22(Sat) 23:08:41