【人】 社会勉強 早乙女 珠梨 — 流さんと — [伝えそびれてしまったのは、これからのこと。 せめて夏の間は深く考えないようにした家のこと。 今は不確定でも、きっといつかは何かが起こる。 そのとき流さんはわたしの隣にいるのかな。 ——居てくれたら、いいな。 今はやっぱり現実から目を背けることにした。 昼間はがんばったし明日も仕事なんだから いいでしょ?一晩の間くらいは。 胸の高鳴る、それでいて穏やかな時間は いつまでも続いてくれていいように思えた。 気持ちと裏腹に花火は終わりに迫ってゆくけれど。] ……わたしもです。 [小さなつぶやきに自然と返事をしていた。>>25 クライマックスを予感させる爆音とは裏腹に 花火の始まった時より今の方が静かだった。 ——だからその言葉は、はっきりと耳に届いていた。*] (36) 2022/08/03(Wed) 19:54:57 |