【人】 二世議員 時任―BL号・デッキ― [柔らかな低音>>36が吐息さえ拾えるほどに間近に響いて、小さく息を飲む。抱きしめられるように触れられている体勢からして、身体に緊張が走ったことにも、気付かれてしまったかもしれない。横に伸ばしていた手も僅か震えてしまった] ……ええ。昔、子供の頃に家族旅行で。 でも、あの頃は作品の意味なんてほとんどわからないまま見ていたから。あれがそうだったんだろう、程度の記憶なんですよね。また改めて行ってみたいな。 レオニスさんは、美術館とかよく行かれるんですか? [遮るもののない空間で全身に浴びる風は冷たいのに、背後から触れる体温は温かい。むしろ熱く感じるくらいだ。 饒舌なくらいの喋りは、何かしら意識を別の方向に向けなければ、取り乱してしまいそうだからで。 名乗られてもいないのに名を呼んでしまったと気付いたのも、言葉を発し終えた後のこと。自分で勝手に戸惑って、落ち着きなく頬の裏の肉を噛んだ] (38) 2022/01/10(Mon) 4:09:20 |