【人】 楯山 一利その後は二人とも 再び酒コーナーに視線を移しただろうか。 ちょっと気まずいな…。 さっさと酒を選んでこの場を後にしようか。 そう思いながら、適当な発泡酒に手を伸ばした時。 「えっ?」 不意に女性から話し掛けられて>>36 ちょっと拍子抜けした顔で振り返る。 まさか声を掛けられるなんて思ってもみなかったし、 ぶつかった以外になんか悪い事しちゃったっけ。 と、内心動揺しちゃったんだけど 相手が声を掛けて来たのは、そう言う事ではないらしい。 「それなら、無糖の缶チューハイっすかね。 レモンならスッキリしてて飲みやすいと思いますけど。」 と、提案をしてみたのだが 『酒に逃げたい』という言葉に俺はギョッとした。 やっぱり何かあったんだろうな。 さっき気になっていたけど、聞けなかったことを これを機会に聞いてみようかなって思った。 (38) 2022/10/14(Fri) 22:53:26 |