【人】 看護生 ミン>>31 ラキ かけられた声に合わせて閉じられた双眸がゆっくりと開く。 目の前では変わらず穏やかな光景が流れていることを確認して、振り返った。 「あら…確かに今は舞踏会の最中ですから、用心に越したことはありませんね。 私なんて、見て回ってる最中にうっかり落としてしまいそうですもの。ありがとうございます、親切な方。」 ふわりと、花が咲くように笑って。 忠告された通り小瓶の縁をなぞって、中を確認する。 …蜜が残っている所を見ると、まだ悪戯な妖精には会ってないのだろう。 「そんなこと仰らないで、素敵な妖精さん。 …ふふ、とてもお上手なのね。私は少し先の町から来たんです。教科書でしか見たことのない薬用植物もここにならあるんじゃないかと思って。」 厳密に言うと隣の隣の隣の町なのだが、3つ先の町が少し先に含まれるのかはここでは言及しないこととする。 そうして、少しだけ考えるように空を仰いで、視線を目の前の青年に戻す。 「…確か…ランタン屋さん…………は、お辞めになられたんでしたっけ…。…素敵な妖精さんはこの辺りに住んでる方なんですか?」 (38) 2022/03/23(Wed) 16:32:27 |