【人】 司書 エルナト>>36 クロノ 帰ってこない返事を催促することもなく。 伝えたい事だけ伝えれば、あとは図書委員としての仕事を。 初等部もいるここは、絵本のバリエーションも豊かだ。 探せば望む物語は見つかる程度には。 「うん、見つかってよかった。」 よければ座って読んだら?と椅子と机のある方を指さして。 図書室ではお茶は出ない。 紅茶とお菓子を頂きながら優雅な時間…とはいかないのが残念だ。 「……………。」 小さな呟きには、少し考えて。 答える内容を、ではなく。 答えるべきかどうか、を。 「……神隠しって、神様が人を攫うというからね。」 「神様からしたら、人の行いなんて、あまり関係ないんじゃないかな。」 つまり、良い子にしてようが神隠しには遭う、ということ。 少年は悩んだ末、君を子供扱いせずに、きちんと、少し冷たい考えを述べるのだった。 (39) 2022/05/02(Mon) 0:05:33 |