【人】 事務員 深瀬賢「この学院は、私たち淫魔が人間世界で生活できるよう、教育する為にあるのだよ。 自覚のない淫魔は、自身の力に悩まされる事がある。 例えば無意識に異性を魅了してしまったり、相手から精力を奪いすぎてしまったり、白昼にも関わらず淫夢を見てしまったり。」 玄関へと脚を向けながら、言葉を続ける。 この学校にわざわざ転入してくるとなれば、理由は大方、先述のどれかだろう。 「これらは普通の事だ、いわゆる『普通の人間』が抱える性欲と変わりない。 私達は、よりこれらに近い存在というだけだ。」 玄関にたどり着いて、彼女を見送る姿勢。 ここまで着いて来ていた 『私』 は、彼女に手を振って影の中へと戻っていった。 (39) 2024/11/10(Sun) 11:19:51 |