【人】 天狗 1回生 ヨシツネーグランド当日 大図書館 プラチナと>>20ー 朧げな意識が、かろうじて言葉を捉える。 誰かに話しかけられているらしい。 重い瞼をなんとか開けて相手を見るが、面識のない…少なくとも、日常的に顔を合わせる事のない相手であり、そんな相手に心配をかけさせてしまっているという事が、心苦しかった。 まだ正常な思考が残っているのは幸いといったところだろうか。 それが兄様の刀のおかげであると知るのは、もっと後の話。 「だ……ーー。…ごけ…ー…ー。」 『大丈夫、動けます。』そう伝えようとして、口が動かなかった。 ならば実際に動いてみせようと、刀を杖に身体を持ち上げて…それも叶わず、前のめりにぺしょんと崩れ落ちた。 (41) 2023/06/23(Fri) 17:11:40 |