>>+82 スピカ
「スピカ、ね。………ありがとう」
前回も今回も、押しつけが叶って助かっている。
美味しいものを食べたくとも、これがあるから難しい。
人の居ない場所でも食べる事をしなくなっていた。
「……ああ、いい。分からなくて大丈夫」
分かって貰えるとは思っていない。
つい口から出ただけの言葉だ、気にしなくていい。
「……そうか、いっぱい食べれて良かったね。
君が美味しくて楽しいなら……何よりだ」
目を逸らす。あの日とは違う感想を伝えている気がする。
名前を知るのもどんな心境の変化かと、言われそうだと思う。