【人】 騎士見習い テンガン[返事が返ってきた。>>42 女性が声を出せる程度には無事であることにひとまずほっとする。 鈴の音のようなか細い声音からすると、少女と言っていいくらいの年齢かもしれない。 近くで見ると少女は華奢で細い身体をしていた。 冒険者というよりどこぞのご令嬢なのではないかと思ってしまうような繊細な風貌だった。] 毒を? それは大変だ、オレは初級の回復魔術しか使えないので治せるかどうか…… [つい先ほど自分の魔術が己の身体を蝕む媚薬にまったく効果がなかったことを思い出し、自信をなくしているテンガン。 そのうちに少女の視線はテンガンの下半身に及び、逆に大丈夫かと尋ねられてしまう。] ああっ、いや、これはオレの本意ではないんです! さっき罠にかかってしまい、その…… 卑劣な類の毒を浴びてしまって! [今すぐ透明になれるものならなりたいくらいの羞恥心を覚えながら訳を話すテンガン。 どういう種類の毒かは話さなくても己の様子を見れば伝わるだろう。] 正直、大丈夫ではないです……。 大変困っております……。 [情けない実情にテンガンはしゅんと眉を下げたのだった。] (45) 2021/05/01(Sat) 20:53:19 |