【人】 ヴィンセント・エヴァンズ[ 厨へと戻ってみれば、侍従達が何やら菓子の用意をしていた。 社長への来客はこれ以上の予定はなかった筈だが、はて。と首を傾げてみれば、オーブリーが家に来たらしい。 オーブリー・フィリップスは私達の幼馴染で、幼少の頃から親交がある。 とはいえミシェルの方が歳は近く、私は二人が遊ぶのを傍で見守っていた、と言う方が正しいが。 ] なるほど、それならば私が用意しよう。 君達は休憩に入るといい [ 本来、私はあくまで社長秘書であるため、仕事に関係のない場でこんな執事のようなことをする必要はない。 しかし社長は自宅で職務をし、仕事の客人を招くことも多く、その境目は曖昧になっていた。 そのため、日中は他の秘書や侍従達を束ねるような存在、そして夜は社長の子息として振る舞うというのが、何となくの習慣になっていった。 ] (45) 2021/04/06(Tue) 15:35:11 |