【人】 夢渡り アルレシャ[給仕の姿は、すぐに見つけられただろう。 事情を説明し、ある一室に案内される。 荷物から、服を取り出すと、着替えて、借りていたエプロンドレスは、畳んで給仕に返すとともにお礼を言う。 その際、自分の服はどこにと、エプロンドレスに着替える前の事を尋ねたが、解らないと言われる。 忙しいようだし、先ほどの人を探すかと思うが、見つけられる自信もないから、諦める方が早いと判断すると、もう一度お礼をする。 さて、これからどうするか――。 服が気になって、ケーキを食べるのを躊躇ったのは確か。 だが、失礼な態度をとったのも事実である。 謝るのは早い方がいいだろうが、どうすればいいのかと考えてしまうから。 先ほどは、普通に歩いていただけなのに、なんだかいろんな事が起きてしまった動揺も、あったのかもしれないと、いまさらながら思う。 こうして、自分の服に着替えてやっと落ち着いたからこそ、振り返る事が出来たのかもしれない。] ……はぁぁ… [どうすれば悩むから、ため息が漏れる。 何があったか、素直に言う…のも憚れるのは、きっと二人は、心配するだろう。 私をだけでなく――。 それが良い事ではない気がすると、ではどうするか――。 答えが出ないために、とぼとぼとした足取りで、たまに止まったり、空を見上げてあーって考えたり、挙動不審な行動をしてしまう*] (46) 2023/03/25(Sat) 18:13:31 |