【人】 救済者 ユー>>+28 >>+29 >>+30 >>+31 塔の何処か みかん 「結局は意味なんて無いのかもしれない」 答えはわかり切っていた。 「この場で明確に死に救いを見出したのは 現状は僕とアタナシアスだけだ。 グレイ全体で見ても標本数は不足しているかもしれないし、 多くの人間はきっと取るに足らない事と片付けるだろう。 そう考えた方が余程現実的だ」 今更人間に期待するには、あまりにも失望が大きすぎる。 この結果を以て検証とするならば、条件は不適切で そしてあまりにもサンプルデータが少なすぎる。 「それでも、いつか必ず人間は その事実と向き合わなければならない。 少なくとも、僕達«道具»を"消耗品"としないのであれば。」 それでも、こうして確かに形«記録»が残るのであれば。 「これが10000の標本の内の"1"になればいい。 そうしていつか人間達にとって無視できない問題になればいい たとえ仮初めでも 僕達の死が、ただの一つだって "0"ではないと信じる事くらいは許されるはずだ。 でなければ、救いを信じて死んでいった アタナシアスがあんまりにも救われないじゃないか」 (47) 2021/10/07(Thu) 19:50:18 |