【人】 狡兎 ツィオ>>45 リカルド 「おっと、随分と所在なさげだったものだから、 田舎上がりのお嬢さんかと思って声掛けたんだが」 軽口は相手の言葉とは対称的に、 普段から担う仕事も違えば、 その仕事に対する適正も全く逆。 同じファミリーの一員という繋がりがなければ、 凡そこうやって会話をしそうもない二人が肩を並べる。 笑いながら、相手に合わせるようにして煙草を咥え、 相手の肩を指で叩くと、至極嫌そうに火をくれた。 「アルコールも女も、上の招集の枷とはリックらしい。 とことん向いてないな、こういう場所に」 紫煙を吐き出して、口の端で嗤う。 煙に軽く酩酊した顔で祭りを眺めながら。 「あー、いいお尻してるねえ、あの子……。 なあ、リック。マウロが言ってたが。 今回の犯行者が"内側"に居たらどうする」 裏切り者が存在していたら、どうする? 世間話とシームレスに、そんな核心めいたことを尋ねた。 (48) 2022/08/10(Wed) 1:35:00 |